墓じまいを検討するとき、複数の業者から見積もりを取り寄せる方もいらっしゃいます。
その際、まず気になるのは費用ではないでしょうか。しかし、見積書は業者によって項目の名前やまとめ方が異なるため、総額だけでは内容の違いがわかりにくいことがあります。
墓じまいで避けたいのは、「当然してもらえると思っていたこと」と、実際の対応が違ってしまうことです。
必要な手続き、墓石の撤去工事、ご遺骨の取り扱い、そしてご家族の気持ちへの配慮。それぞれがつながってこそ、安心して墓じまいを終えられます。
この記事では、最後に「無事に終わって、ほっとした」と思える墓じまいのために、見積もりを比較するときの確認ポイントをご紹介します。
金額の高い・安いだけでは、対応内容はわかりません
「高い見積もりなら、必要なことはすべて含まれているだろう」
「安い見積もりだから、何かの作業を省いているのではないか」
金額から、このように想像されることもあるかもしれません。しかし、価格だけで作業範囲や対応の丁寧さを判断することはできません。
例えば、ご遺骨の洗浄・乾燥が含まれているか、地中の基礎をどこまで撤去するか、手続きのサポートをどこまで受けられるかによって、依頼する内容は変わります。
まずは、ご自身が希望することを伝え、それが見積金額に含まれているかを確認しましょう。
他社にはある項目が見当たらなければ、確認しましょう
ある業者の見積書には記載されている作業が、別の業者の見積書には見当たらない場合があります。
ただし、項目がないからといって、その作業を行わないとは限りません。複数の作業を「工事一式」などにまとめて記載している場合もあります。
大切なのは、含まれているとも、含まれていないとも決めつけずに確認することです。
「基礎コンクリートの撤去は、この金額に含まれていますか」
「ご遺骨の洗浄・乾燥までお願いできますか」
「こちらの項目にあたる作業は、どこに含まれていますか」
このように質問すると、比較する条件をそろえやすくなります。
対応している場合も、追加費用が必要なのか、すでに見積金額に含まれているのかまで確認しておきましょう。
ご遺骨は、取り出した後の対応まで確認する
墓じまいでは墓石を撤去しますが、ご遺骨はその後も、ご家族のもとや新しい納骨先へと引き継がれていきます。
そのため、ご遺骨については「取り出してもらえるか」だけでなく、「どのような状態で引き渡してもらえるか」まで確認することが大切です。
お墓の中では、骨壺に納められている場合もあれば、納骨室に直接納められている場合もあります。ご遺骨に土などが混ざっていたり、湿っていたりすることもあります。
依頼前には、次の点を確認しましょう。
- 土や異物が混ざっている場合、仕分けに対応できるか
- ご遺骨の洗浄・乾燥に対応できるか
- 納骨先が指定する容器や状態に整えられるか
- どのような容器で、いつ、誰に引き渡されるか
- ご遺骨の数や状態によって、費用が変わるか
実際に当社でも、他の石材店で墓じまいを終えたお客様から、ご遺骨の洗浄をご依頼いただいたことがあります。お預かりしたご遺骨には土やモルタル片が多く混ざっており、仕分けと洗浄に手間を要しました。
ご遺骨ケアを別の業者に依頼する場合も、最初から役割と引き渡し方法を確認しておけば、準備を進めやすくなります。
立ち会えない場合は、写真を見ながら相談できるか
ご遺骨の取り出しに立ち会えない場合は、当日の連絡方法も確認しておきましょう。
取り出して初めて、骨壺の数や記名、ご遺骨の状態などがわかることもあります。LINEやメールなどで写真をすぐに確認できると、電話だけでは伝わりにくい状況も共有しやすくなります。
事前に作業予定の時間帯や連絡方法を相談し、判断が必要になったときに連絡を取り合える体制があると安心です。
また、ご遺骨の分け方や納め方について、細かな希望を理解してもらえるかも大切です。
例えば、「どなたのご遺骨かわかるものは、それぞれ分けてほしい」「一部を手元供養のために残したい」など、ご家族によって希望は異なります。
状態によっては個別の判別が難しい場合もあるため、希望に対応できるか、判断できない場合はどうするかまで、事前に相談しましょう。
希望を聞くだけでなく、実際に作業する担当者まで正確に共有してもらえることが大切です。
撤去する範囲と、工事後の仕上がりを確認する
お墓には、目に見える墓石や巻石のほかに、地中に納骨室や基礎コンクリートなどが設けられている場合があります。
「墓石撤去」「更地にする」という言葉だけでは、どこまで撤去し、どのように仕上げるのか、十分に伝わらないことがあります。
見積もりの際には、次の点を確認しましょう。
- 墓石・巻石・霊標など、撤去するものの範囲
- 納骨室や基礎コンクリートの扱い
- 撤去後の埋め戻しや整地の方法
- 墓地管理者が指定する返還条件への対応
必要な工事は、墓所の構造や墓地の返還条件によって異なります。過去の施工写真などを見ながら説明してもらうと、完成後の状態をイメージしやすくなります。
現場を理解した説明と、責任を持って対応する体制があるか
墓所の構造や搬出経路、ご遺骨の納められ方によって、必要な作業や準備は変わります。
見積もりや相談の担当者に現場経験があるか、現場での判断が必要なことを施工担当者に確認できるかも、業者選びの判断材料になります。
また、工事は自社の作業員が行う場合もあれば、協力業者が行う場合もあります。協力業者が施工する場合でも、依頼先の担当者が現場に常駐し、作業の確認やご家族との連絡を担っているところもあります。
確認したいのは、相談時に伝えた希望が現場に反映され、最後まで責任を持って対応してもらえるかです。
- 当日の現場責任者は誰か
- 希望や約束した内容を、誰が施工担当者に伝えるか
- 現場で確認が必要になったとき、誰と連絡を取れるか
- 工事完了やご遺骨の引き渡しまで、誰が対応するか
依頼先と施工担当者の間で情報が共有されず、確認や判断まで現場任せになっていると、行き違いにつながります。
施工体制の名称だけで判断せず、相談から完了まで、どのように対応してもらえるかを確認しましょう。
手続きや供養など、工事以外の役割と費用も確認する
墓じまいには、撤去工事のほかにも、改葬や墓所返還の手続き、閉眼供養、次の納骨先へのご遺骨の移動などが関わります。
どこまで業者に任せられるのか、ご自身で進めることは何かを、依頼前に整理しておきましょう。
また、「手配してもらえること」と「その費用が見積金額に含まれていること」は、分けて確認する必要があります。
例えば、僧侶の手配を依頼できても、お布施は別に必要な場合があります。納骨先や墓地管理者への支払いも、工事の見積金額とは別になることがあります。
追加費用についても、どのような条件で発生するのか、必要になった場合は作業前に説明してもらえるのかを確認しておくと安心です。
それぞれの担当と進める順序がわかっていれば、手配漏れや予定の行き違いも防ぎやすくなります。
「思っていたのと違う」を防ぐために
初めての墓じまいでは、何を聞けばよいかわからないこともあると思います。
だからこそ、業者側がお客様の希望を伺い、必要な作業や対応範囲を具体的に説明することが大切です。
「ご遺骨はきれいにしてもらえると思っていた」
「基礎まで撤去してもらえると思っていた」
「手続きもすべて任せられると思っていた」
こうした行き違いを防ぐために、気になることは契約前に確認しましょう。説明を受けた内容は、見積書への追記やメールなど、後から見返せる形で残し、ご家族とも共有しておくことをおすすめします。
墓じまいハナミズキでは、現地の状況を確認して必要な工事内容を積算し、ご遺骨の洗浄・乾燥や手続きのサポートについてもご相談を承っています。
ご家族が大切にしたいことや、気になっていることをお聞かせください。対応できることや、別途準備が必要なことを、一緒に確認していきます。
「立つ鳥跡を濁さず」——次の供養へつなぐ墓じまい
「立つ鳥跡を濁さず」という言葉があります。
長年お参りしてきたお墓にも感謝を込めて、必要な手続きを済ませ、墓所をきちんと整えてお返しする。そして、ご遺骨をこれからの供養へとつないでいく。
手続き、工事、ご遺骨の取り扱い、ご家族への配慮。その一つひとつを大切にし、最後まで滞りなく終えることを、私たちは大切にしています。
見積もりを比較するときは、費用とともに、希望する墓じまいを最後まで安心して任せられるかを、ぜひ確認してみてください。