「お墓じまいをしたいけれど、お寺さんに切り出しにくい……」 「離檀料(りだんりょう)って、いくら包むのが正解?」
長年お世話になってきたお寺(菩提寺)との関係を終えるのは、とても勇気がいることです。しかし、伝え方ひとつでトラブルを防ぎ、感謝の気持ちでお別れすることができます。
今回は、住職への**「切り出し方のマナー」と、気になる「離檀料の相場」**について詳しく解説します。
Contents
1. 離檀料の相場は?「高額請求」は本当にあるの?
結論から言うと、離檀料に法的・公的な決まりはありません。あくまで「これまでお世話になった感謝の気持ち」として包むお布施です。
- 一般的な相場:3万円 〜 20万円程度
- 多くの場合、法要1回分のお布施(3万〜5万円)から、最高でも年間の管理料の数倍程度が目安と言われています。
【注意!】もし高額な請求をされたら? 稀に「100万円以上」といった法外な金額を提示されるケースがありますが、これに従う法的義務はありません。まずは落ち着いて理由を聞き、親族や必要であれば専門家(行政書士等)に相談しましょう。
2. 円満に進めるための「切り出し方」3つの鉄則
お寺側が一番悲しむのは、「もう決まったことなので書類にハンコを押してください」という事務的な態度です。
① 「相談」という形で早めに伝える
お墓を壊す直前ではなく、数ヶ月〜半年前には一度お話しに行きましょう。「まだ迷っているのですが…」というニュアンスで相談を始めると、住職も話を聞きやすくなります。
② 「やむを得ない事情」を正直に話す
- 「遠方に住んでいて、お墓が荒れてしまうのが申し訳ない」
- 「体調を崩し、階段のある墓地まで上がれなくなった」
- 「子供にこれ以上の負担をかけさせたくない」 など、**「お寺が嫌いになったわけではなく、維持が物理的に不可能であること」**を伝えましょう。
③ 「感謝」を言葉にする
「〇〇代にわたり、丁寧にご供養いただきありがとうございました」という感謝の言葉を添えるだけで、住職の受け取り方は180度変わります。
3. 住職への挨拶:そのまま使えるトーク例
✅ 挨拶の例文
「ご住職、本日は折り入ってご相談があり参りました。 実は、長年こちらでお世話になってきたお墓ですが、今の私どもの状況では、今後十分な管理を続けていくことが難しくなってまいりました。
このままではご先祖様に申し訳なく、悩んだ末にお墓を整理し、別の形(永代供養など)で守っていくことを検討しております。
〇〇家として大変心苦しいのですが、これまでのご恩に感謝しつつ、お墓じまいについてのお手続きを教えていただけないでしょうか。」
🎁 読者の不安を解消!お寺訪問の「手土産とマナー」豆知識
「離檀(お墓じまい)」という少し重い話をするからこそ、最初のご挨拶(手土産)で「敬意」を伝えることが大切です。
1. 菓子折りは何を選べばいい?
お寺への贈り物は、「お供え」として仏前に上げられた後、お寺の方々で分けていただくことが多いです。そのため、以下のポイントで選ぶと外しません。
- 日持ちするもの: 1〜2週間以上持つ焼き菓子、お煎餅、羊羹など。
- 個包装のもの: 分けやすく、衛生的で喜ばれます。
- 避けるべきもの: 生菓子(ケーキなど)や、殺生を連想させるもの、香りの強すぎるもの。
- 予算: 3,000円〜5,000円程度の、少し品のあるものを選びましょう。
2. 「のし(表書き)」はどう書く?
お墓じまいの相談であっても、お寺へ伺う際は**「お供え」**の形をとるのが一般的です。
- 表書き(上段):「御供(おそなえ)」 または 「志(こころざし)」
- ※「御礼」でも間違いではありませんが、まずは仏様への敬意として「御供」とするのが最も無難で丁寧です。
- 名入れ(下段): 〇〇(自分の名字)
- 水引の色:
- 相談段階なら:「黄白」 または 「黒白」 の結び切り。
- ※地域によって異なりますが、お寺への進物(お供え)は四十九日を過ぎていれば「黄白」を使う地域が多いです。迷ったら百貨店の店員さんに「お寺へのお供えです」と相談すれば安心です。
3. お渡しする時の「一言」テンプレート
部屋に通され、座る前(または座ってすぐ)にお渡しします。
「本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。これ、心ばかりですが御仏前にお供えください。」
この一言があるだけで、「この方は礼儀を重んじているな」と住職に伝わり、その後の「実は、お墓のことでご相談が…」という本題に入りやすくなります。
💡 ワンポイント・アドバイス
お寺の住職は、意外と「お墓がなくなる寂しさ」よりも「今後の供養がどうなるか」を心配されています。
もし手土産と一緒に、**「新しい納骨先のパンフレット」や「写真」**を持っていくことができれば、「次はここで大切に供養していく予定です」と視覚的に見せることができ、より安心してもらえますよ!
4. 最後に必要な書類「埋蔵証明書」について
お墓じまいの手続きには、お寺の署名・捺印が入った**「埋蔵証明書」**が必要です。 感情的なトラブルになると、この書類の発行を拒否されるというケースもゼロではありません。
だからこそ、**「まずは感謝を伝えること」**が、スムーズな行政手続き(改葬許可証の取得)への一番の近道なのです。
まとめ:お寺との縁を「円満に」結ぶために
離檀は「縁を切る」ことではなく、「責任を持って供養の形を整える」という前向きな行為です。 誠意を持って丁寧にお話しすれば、多くのご住職は理解し、最後の手続きまで協力してくださいます。